カンボジアの代表的な観光スポット言えば、シェムリアップのアンコールワット!
その他の魅力的な遺跡やお寺なども、シェムリアップが中心で、首都であるプノンペンよりも旅行先として人気があります。
一方で、プノンペンの観光スポットと言えば王宮以外に何があるのだろう?とよくわからない人も多いでしょう。
そんな方はプノンペン滞在中にカンボジアの歴史を学んでみてはいかがですか?
今回ご紹介するトゥールスレン虐殺博物館は、今から約40年ほど前に起こった、カンボジアの残酷な歴史を風化させないように人々に伝えている貴重な場所です。
正直私もここへ足を運ぶまで、過去の事はあまり良く分かっていなかったし、調べようともしていなかったのですが、そう遠くない昔にカンボジアで一体何があったのか知ることが出来て本当に良かったと思っています。
この記事ではプノンペンにあるトゥールスレン虐殺博物館の歴史や見どころ、行き方などの基本情報をまとめてご紹介しています。
少し重たい内容になってしまうかもしれませんが、プノンペンを訪れる予定のある方は是非予習がてらご覧ください!
ポル・ポト政権下で起こったカンボジア大虐殺
ポル・ポトとは、1975年から1979年の4年間、カンボジアを支配した共産主義政党「クメール・ルージュ」の指導者です。
階級差の無い共産主義の社会を目指していたクメール・ルージュでは、階級の高い知識人や大都市の住民、公務員や宗教指導者らをあらゆる罪で逮捕し、収容所で拷問や処刑を繰り返していました。
ポル・ポトが支配していたこの4年間、カンボジア全土で恐怖政治が敷かれ、推定150万~200万ものカンボジア人が飢餓や処刑、病気、過労などで命を落としたと言われています。
逮捕された場合、本人だけでなく家族も全て殺されてしまう為、当時は多くの子供達も若いうちに命を落としてしまいました。
カンボジアの人口ピラミッドを見ると、現在45~49歳の層が極端に少ないことがわかります。
これはポル・ポト政権下に0~5歳くらいだった人々の層です。
何でも、赤ちゃんたちは親から引き離され、すぐに処刑されていたのだとか…。
このグラフを見ただけでも、当時どれだけたくさんの人が命を落としたのかが一目瞭然です。
トゥールスレン虐殺博物館とは
トゥールスレン虐殺博物館は、過去にS21(トゥールスレン強制収容所)という名で呼ばれていました。
当時、ここにつれてこられた人たちは生きて帰ってこれないと言われていた恐ろしい場所です。
S21へ連れてこられた人は階級の高い人の中でも特に政治犯として捕まった人々でした。
その人数は約20,000人と言われており、収容所の中では恐ろしい拷問や処刑が毎日繰り返されていたそうです。
4年間の長い恐怖政治が終わり、命を落とさずにこの収容所から出られた人はわずか8名。
それほど多くの人々がここで苦しみながら亡くなったのかと思うと、胸が締め付けられ苦しい気持ちになりました。
※収容人数や生還人数は諸説あり。まだ正確な内容はわかっていないようです。
トゥールスレン虐殺博物館の見どころ
「見どころ」というと、全てが見どころです。
余すことなくすべてを見て、音声ガイドで聞いて、胸に刻んで帰るべき場所だと思いました。
途中からもう写真を撮影するのもしんどくなってしまったので、最初と最後の写真しかありませんが、これでも十分伝わるはず。
まず、建物内部の地図です。
収容所は敷地内にA、B、Cの三棟があります。
音声ガイドに従ってA棟から見学をします。
A棟は1、2階が見学可能な部屋で、3階では特別展示を行っていました。
A、B、C全ての建物が、捕まった人々を収容する部屋でした。
部屋の中も実際に入って見学ができます。
当時の写真も飾られていて、あまりに残酷です。
このお部屋はまだ綺麗な方なのですが、血の跡みたいなのが付いてる部屋もありました。
これは拷問器具みたいです。
ここに吊り下げられて、自分の罪を認めたり、取り調べをする人の希望通りの答えが返ってくるまで、夜な夜な拷問をされたらしい…。
これはC棟。
特に凶悪とされた政治犯が収容されていたらしいです。
部屋の中はレンガですごく狭いスペースに区切られていて、独房になっていたようです。
開放している部屋は一部、写真展示に使われていました。
犠牲になった人の中には、若者や子供、赤ちゃんなども含まれており、カンボジア人だけでなく外国人で犠牲になった方もいたようです。
写真の展示室も撮影OKでしたが、私は撮れなかった。
最後にはここで犠牲になった人々を弔う記念碑が置かれていました。
今から約50年前にこんな残酷な事をやっていただなんて、本当に信じられません。
この凶悪な歴史が無ければ、今頃カンボジアはタイよりも発展していたのではないかと言われているくらい、当時は発展もしていたそうです。
カンボジアに訪れるなら、美しい部分だけでなく、より多くの人にこのような過去の歴史も共に知って頂きたいなと思いました。
トゥールスレン虐殺博物館の行き方
プノンペンの中心部がどこかよくわかりませんが、どこから行くにせよ車で行くしか選択肢がありません。
敢えて選択肢を分けるなら、Grabかトゥクトゥクですかね。いや、トゥクトゥクもGrabだな。
日本・タイからからプノンペンまでの行き方は以下をご覧ください。
Grabで行く
Grabで行く場合、主要スポットからの所要時間は下記の通り。
- プノンペン国際空港から約30分
- 王宮から約15分
- 独立記念塔から約10分
- キリングフィールドから約30分
上記時間は目安ですが、プノンペンは朝晩の渋滞がとても酷いです。
移動時間は多めに見積もって、余裕を持って行動しましょう。
トゥールスレン虐殺博物館の料金・所要時間・注意点
その他の情報も以下にまとめました。
所要時間は人によって異なりますので参考までに。
料金
- 入場料:大人5ドル・子供(10-18歳)3ドル
- 音声ガイドレンタル料:5ドル
音声ガイドは11の言語があり、もちろん日本語もあります。
日本語のパンフレットもここに置いてあるので、持って行きましょう。
所要時間
私は次の予定があったので少し急ぎ目に見て1時間くらいでした。
じっくり見るなら2時間はみておいた方が良いです。
基本情報
施設名 | トゥルースレン虐殺博物館 |
住所 | Phnom Penh, Sangkat Boeung Keng Kang III, Khan Chamkar Mon, St 113, Phnom Penh 12304 |
電話番号 | +85577252121 |
営業時間 | 8:00-17:00 |
HP | https://tuolsleng.gov.kh/ |
まとめ
今回はトゥールスレン虐殺博物館について、カンボジアの歴史から詳しくご紹介しました。
博物館の音声ガイドでは歴史についても詳しく解説してくれているので、訪れた際は是非音声ガイド片手に敷地内を見て回ってくださいね。
プノンペンには類似のスポットとしてキリングフィールドもありますが、市街地からは少し距離があります。
短い旅程での観光なら、王宮にも近くアクセスしやすいトゥールスレン虐殺博物館だけ訪れるのも全然アリじゃないかなと思います。
カンボジア(プノンペン)については、基本的な情報やおすすめのお土産など、他にも色々な記事を書いています。
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