※2022年9月更新:記事内に間違いがあったので訂正しました。
タイで仕事をする上で知っておきたいのは仕事内容もそうですが、給与や福利厚生など自分が与えられる権利ではないでしょうか。
残念ながらタイでは日系企業や日本人経営の会社と言えども労働法を遵守しないいわゆる「ブラック企業」がまだまだ多いのが現状です。
給与をちゃんと払ってくれない、労働許可証やVISAを支給してくれないなんて会社はさっさと辞めるに越したことはありませんが、割とグレーな感じにされるのが今回お話しする休暇制度や解雇時の補償金についてです。
自分の身を守る為に、そして自分が損をしない為に今回は法律で保障されている休暇についてと、解雇時の補償金についてお話します。
労働法で定められている主な休暇制度は3種類
タイで働く全ての人が保証されている休暇には以下の3種類があります。
- 有給休暇
- 傷病休暇
- 用事休暇
字面を見れば大体どのような休暇なのかは想像がつくかと思いますが、詳しい内容についてご説明します。
有給休暇
有給休暇は勤続1年以上の従業員を対象に、最低6日/1年が付与されます。
会社によって付与される時期と日数が異なり、上記は最低ラインとなります。
初年度6日で、1年ごとに1日ずつ増えていくパターンや、毎年一律で6日付与されるパターンが一般的です。
ちなみに私の前職は試用期間終了後に6日付与で、現職は入社1年後に6日付与なので、ルールは会社によってまちまちのようです。
1年間で使い切れなかった有給については原則は買取になりますが、会社のルールで繰り越し制度を設けている場合もあります。
傷病休暇
病気や怪我などが原因で出社できない場合に使う傷病休暇は30日/1年保証されています。
本来は長期で出社できないような病気や怪我の時にも有給で治療に専念できるようにと定められた日数なのですが、本来の意図とは違い気軽に休みを取れる制度となってしまっていて、別名マイサバイ休暇と呼ばれていたりもします。
傷病休暇が30日もあれば、1年間ほぼ毎週3連休に出来ちゃいますからね。これを使って二日酔いなどを理由に気軽にお休みするスタッフがとても多いです。
ちなみに3日以上連続しての使用は医師の診断書が必要になります。
会社によっては1日の休暇でも診断書が必要な場合もありますので、入社後に要確認です。
用事休暇
意外と知られていないこの「用事休暇」ですが、これは私用で平日しか営業していない役所へ行かなければならない時(免許更新なども該当)や、家族の行事に参加しなければならない時などに使う休暇です。
勤続年数に関わらず3日/1年を有給で取得する事ができます。
有給と何が違うのかと聞かれると、正直私もよくわからないのですが、例えば慶弔休暇に該当しない親族や知人のお葬式などの場合でも有給休暇ではなくこの「用事休暇」を使えるようです。
なんとなくニュアンスは伝わりますでしょうか。
ちなみにこの「用事休暇」が最低3日間有給となったのは2019年の4月の事ですので、まだまだ新しい制度です。
タイの産休は98日間
日本人の現地採用の方で該当する方は少ないとは思いますが、一応産休についても触れておきます。
タイは育休が無いので出産に関する休暇は「出産休暇」の98日間のみです。
出産前後の45日間が休暇期間となり、前半の45日は有給で、後半の45日は無給ですが政府からの補助金が出るので給与は実質保証されています。
残りの8日は妊娠中の定期検診の為の休暇に充てるのが一般的です。
少し前に8日間増えて少しだけ長くなりましたが、それでも日本に比べてかなり少ない印象です。
タイの方は産後早々と子供を親に預けてバリバリ働く女性が多いのだとか。
会社によって異なる休暇制度
これまでお話ししたのが私達日本人も使う可能性の高い休暇ですが、その他にも色々な休暇があります。
- 慶弔休暇
- 結婚休暇
- 出家休暇
- 兵役休暇
兵役休暇は年60日まで有給になります。
タイの男性はみんな兵役に行かなければならないのかという話を同僚に聞いたことがあるのですが、そんなことは無く、高校で軍に関する授業を受けていれば兵役が免除されるなど、色々なルールがあるようです。
なんか該当者の中からくじ引きになって、当たった人が行かなきゃならないなんて話も聞いたことがある気がするなあ…ちょっと真偽のほどはわかりませんので参考までに。
出家休暇もタイらしい休暇ですが、こちらは無給でも良いそうです。
基本は3か月ですが、15日程度の短期出家というのもあるらしい。
出家した人は俗世に戻らないイメージが強いですが、タイでは社会人になる前に(学生のうちに)短期出家をする男性も多いのだとか。
この項目でご紹介した休暇は会社ごとにルールがまちまちです。
まとめ
今回はタイの休暇制度についてご紹介しました。
あくまで病気の時に使う休暇ではありますが、傷病休暇で30日も保証されているというのは、個人的に最も衝撃的でした。
タイはこういった待遇面で労働者側がかなり守られている印象があります。
そしてタイでの就職を考えている方でも、働き始めるまでは休暇の事や福利厚生の事などはわからない場合が多く、面接時にそのあたりを根掘り葉掘りも聞きづらかったりもしますよね。
今回の記事がタイでの就職を目指す方の参考になれば嬉しいです。