タイ現地採用|【2022年9月更新】働く上で知っておきたい解雇補償金と退職金制度について

海外就職

※2022年9月更新:退職一時金に関する内容を追記しました。

不定期でタイで働く上で知っておきたい情報を更新しているのですが、今回は仕事を辞める時に保証されているお金の話を簡単にまとめてみようと思います。

タイ現地採用として働いているけれど詳しくは知らないという方も多いかと思いますが、知っていないとうやむやにされてしまうケースもあるので、しっかり覚えておいて欲しい内容でもあります。

では、詳しくお話ししていきますね。

退職金ではない?タイの解雇補償金制度について

タイには日本でいう退職金制度というものが無く、たとえ勤続年数が長くても自己都合による退職の場合にはお金は貰えません。

ただし業績悪化など、会社都合で解雇を通知された場合には、勤続年数に応じて解雇補償金というものを受け取る事が出来ます。

解雇補償金を受け取るには様々な条件がありますので、一緒にチェックしていきましょう。

解雇補償金を受け取る条件とは?

まずは解雇補償金を受け取れる条件についてです。

この条件はタイ人だけでなくタイで働く外国人にも適用されます。

前述の通り会社都合での解雇の時にのみ支給される補償金で、該当するのは大きく分けると2つのパターンです。

  1. 会社都合での解雇
  2. 契約期間満了での契約更新なし
  3. 定年退職

1はあくまでも会社都合の場合のみ該当します。

自己都合で退職した場合や、勤務態度が著しく悪く、会社に損害を与えた上での解雇などは対象外です。これ対象にしちゃってたら、辞めたくなったら無断欠勤しまくってオフィスで大暴れしてクビにされても貰えちゃいますもんね。そりゃあ対象外ですよね。笑

現地採用の場合、2に該当するケースも意外と多いと聞きます。

2,3年契約で雇われている契約社員の場合は、期間満了の最低でも1給料日前には契約延長か否かの話になります。その際に会社側から契約終了を言い渡された場合は、たとえ契約期間の満了であった場合でも解雇補償金は支払われなければいけません。

例外として、プロジェクト単位での雇用の場合は契約期間満了の場合に解雇補償金を支払わなくて良いケースがあるのですが、その際は担当プロジェクトが会社の本来の業務とは全く関係のないものである必要があります。

これに関してはどこまでが対象か、専門家でない私はわかりかねます。しかし、私が持っているイメージとしては「大量受注によって2年間生産ラインを増設するプロジェクト」は解雇補償金支払い対象となり、「車の部品を作っている会社で2年間マスクを生産するラインを増設するプロジェクト」は支払い対象外になると思います。

3も同様に、解雇ではありませんが解雇補償金が支払われます。

解雇補償金の金額は何を基準に決まるの?

解雇補償金の金額は勤続年数に応じて労働法で決められています。

詳細は以下の通りです。(2022年9月現在)

  • 120日以上1年未満:最終賃金の30日分
  • 1年以上3年未満:最終賃金の90日分
  • 3年以上6年未満:最終賃金の180日分
  • 6年以上10年未満:最終賃金の240日分
  • 10年以上20年未満:最終賃金の300日分
  • 20年以上:最終賃金の400日分

なんと入社後4か月以上働いている従業員を解雇すれば、最低でも1か月分の解雇補償金が発生するのです。

これは企業側からすると入社前や試用期間中の人材の見極めがとても重要になってきますよね。

転職が多いと言われているタイですが、会社によっては勤続20年以上のベテラン従業員がゴロゴロいる場合もあります。

そんな企業だと定年退職時の解雇補償金がバカにならないですよね。

「明日から来なくて良い」で発生する退職一時金

上記で説明した解雇補償金は、会社都合での解雇の場合に勤続年数に応じて発生します。

中には「解雇補償金を支払うので、明日から来なくて良い」と言われるケースもあるかもしれませんが、その場合は解雇補償金以外に「退職一時金」が発生するので覚えておきましょう。

基本的に従業員を会社都合で解雇する場合は、少なくとも一給料日前に通知しなければなりません。

例えば毎月月末が給料日の会社の従業員を10月末で解雇したい場合は、9月末日よりも前に本人に伝えなければなりません。

この期日を過ぎてしまった場合は、解雇日を翌月(11月末)にするか、退職一時金として解雇補償金に加えて約1か月分の給与を支払わなければならないのです。

なので「明日から来なくて良いよ」と言われた場合は上記内容を基に退職のタイミングやお金のことなど、しっかり相談した方が良いですよね。

企業によっては導入しているプロビデントファンド

解雇補償金以外の方法として、プロビデントファンドという制度を取り入れている企業も多いです。

プロビデントファンドとはいったいどういうものなのか簡単にご説明しますね。

プロビデントファンドとは?

プロビデントファンドとは一言で言うと「確定拠出型の年金」です。

加入者は自分の給与の2~15%を給与から天引きで毎月積み立てていき、企業側もそれと同額またはそれ以上の金額を積み立ててくれるという制度です。

加入は強制ではなく任意で、福利厚生として取り入れていない企業もあるので民間企業で働く全ての従業員が加入できるわけでは無いのですが、タイでは人気の福利厚生の一つなので積極的に取り入れている企業が多いです。

プロビデントファンド加入のメリットとは

加入は任意ですので、プロビデントファンド加入のメリットを少しお話しますね。

まずは自分の積立額の2倍の金額を受け取る事ができる点です。

自分の積立額と同じかそれ以上の金額を企業側も積み立てる仕組みなので、例えば毎月2,500バーツ自分の給与から拠出する場合は毎月5,000バーツ以上積み立てられることになります。

また、自分で運用管理もできるので運用の仕方によっては積立額以上の金額を受け取る事が出来ます。

タイで長く働くつもりの方で、就業先の福利厚生としてプロビデントファンドがあるならば加入する事をおすすめします。

満額を受け取るには条件があります

プロビデントファンドは退職時に転職先の会社へ引き継がれ、60歳(定年)になった時にまとめて受け取れるのですが、勤続年数によっては会社側の積み立て分を受け取れない可能性があります。

この条件は企業によって異なりますが、例えば勤続3年以下の場合は会社積み立て分は引き継がれないなど条件が細かくあるので、加入前に条件の確認はマストです。

まとめ

今回は解雇補償金や退職金、プロビデントファンドについてお話しをしました。

他にも強制加入の年金制度もあり、これは私たちが毎月払っている社会保険料の中に含まれています。

例えば今現在55歳以上でタイで働いた経験がある方はたとえその期間が1年未満だったとしても老齢一時金を受け取れる可能性があり、駐在員でも該当します。

これについては正直あまりよくわかっていないので、詳しく話す事は控えておきます。笑

タイの福利厚生や労働法について掘り下げて調べていくと、日本との違いが見えるだけでなく、自分がタイで働く上でも役に立つのでとても面白いです。

特にプロビデントファンドは知っている様で詳しく知らなかったので今回のこの記事を書くにあたってたくさん調べたので、とても加入したくなりました。

まあ、うちの会社はプロビデントファンドないんですけどね。笑

他にもタイで働く上で知っておきたい情報をまとめていますので、興味がある方は「海外就職」をチェックしてください!